[レジャー]ブランドイメージ刷新と新規顧客層獲得広報戦略
価格競争から価値競争へ―レジャー企業の事業変革事例
背景と課題
業界最大手として、規模の経済を活かした価格戦略を展開してい企業様の事例です。価格戦略は「品質に妥協がある」というイメージが既存顧客に定着していました。さらに、業界全体の利用者減少、特に若年層や女性、デジタルネイティブ世代への訴求力が低下していました。コロナ禍での運営批判、一部従業員による事件の発生など、社会的信頼性の維持も課題となっていました。

広報戦略の実施
- 大規模イベントを活用した技術力のPR:国際的なイベントを活用し、フィールド管理の技術力をアピール。大会前から大手メディアや業界誌に品質管理の取り組みを記事にする試みを実施し、技術力を広く訴求しました。大会中は特にネットメディアの速報性を活かし、メデイア記事がメディア取材を呼ぶ形を作りました。
- 次世代の顧客を育てる:同大会や別の大会では、教育委員会やNPO法人と連携し、地域の子どもたちを無料で大会に招待するスキームを形成しました。大会の告知を兼ねた本取り組みは、次世代が競技への距離を縮めるきっかけを作る試みとなりました。
新規顧客層へのアプローチ
- 初心者向けプログラムで利用の敷居を下げる:初心者向けプログラムを出版業界や経済メディア、運動参加率が低下している地方自治体と連携して実施、それぞれの媒体で発信。競技の楽しさとルールやマナーの啓蒙を伝えることで、初めて利用する層が安心して施設を訪れるための環境を整備しました。
- 女性特化型サービスで新しいコミュニティを形成:女性向けの特典付きサークルを創設し、SNSを活用した手軽なコミュニケーションを実現。女性利用者が継続して施設を利用する仕組みを構築しました。
- 啓蒙活動でレジャーの価値を広く発信:レジャーが女性のキャリアやライフスタイルに与えるポジティブな影響をテーマに、啓蒙書を出版。その後の講演活動を通じて、レジャーの魅力を社会に広めました。
コロナ禍での批判対応と世論形成
健康促進としてのレジャーの価値を訴求:コロナ禍での休業要請に対し、レジャーが健康促進に寄与する点を行政やメディアに根気よく説明し、休業回避を実現しました。感染症対策を徹底した運営の取材を多く誘致し、ポジティブな世論形成に努めました。
危機対応広報
迅速かつ透明性の高い広報対応:従業員による事件発生時には、謝罪と再発防止策を明確に示す記者会見を実施。メディア対応を広報部に集約し、一貫性のある情報発信を行いました。
取り組みによる成果
これらの戦略と実施により、以下の成果を達成しました。
- 競技人口の増加:業界最大手が取り組む新規競技人口を増やす試みは業界全体に広がりを見せ、競技ブームの追い風をうまくキャッチしました。
- 新規顧客層の獲得:初心者や女性層を中心に新規顧客層を取り込み、利用者層の多様化に寄与しました。
- メディア露出の増加:主要メディアや業界誌、これまでほとんど縁がなかったファッション誌などで取り上げ回数が増え、ブランドの信頼性と競技に対するポジティブな世論形成に寄与しました。が高まりました。
考察
この事例から、以下のポイントが重要であると考えられます。
- 一貫性のあるブランドメッセージ:全てのチャネルで統一されたメッセージを発信することで、ブランドの信頼性が向上し、それと同時に顧客満足度も向上します。
- デジタルメディアの積極的な活用:現代の消費者にリーチするためには、デジタルメディアの効果的な活用が不可欠です。以前は若年層に情報を届けるツールでしたが、今や全年代に情報が届くツールになっています。
- 社会的責任の重視:CSR活動やサステナビリティへの取り組みは、企業のイメージ向上に大きく寄与しますが、これらを実施する意義や目的を明確にし、メッセージを打ち出し続けることで、企業イメージが徐々に形成されていきます。
まとめ
本事例は、広報戦略を通じて企業のイメージ刷新と新規顧客層の獲得に寄与した成功例です。定量評価が難しい広報施策ですが、現代の市場環境において、柔軟で革新的な広報戦略の重要性が再確認されました。今後も、時代の変化に対応した戦略的な広報活動が求められるでしょう。
